国立オペラ・カンパニー 青いサカナ団





Repertory -公演詳細-

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◆第4回公演 歌劇「トゥーランドット」Turando
1994年 3月12/13日 於・なかのZERO大ホール

作曲 :G.プッチーニ
指揮 :神田慶一
演出 :八木清市
Cast :トゥーランドット;土井由美子  カラフ;吉村 純



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 前年、93年になかのZEROホールが誕生し、中野区民である代表神田慶一は、ここぞとばかりに建築中のなかのZEROホール事業課に働きかけ、この地を活動の拠点にすることができました。その意味で、サカナ団が中野に根を下ろした記念すべき公演です。公募によって集まった市民合唱団が100人を超え、完全な形でのフル・オーケストラを組織し(この時からオーケストラの名前が現在も使用しているOrchestre du Poisson Blruになりました)、盛大な「こけらおとし」となりました。

 93-94年とスタンダード・オペラに挑戦し始めたサカナ団がプッチーニの2作品『ラ・ボエーム』と『トゥーランドット』を選んだのには訳があります。神田がオペラにのめり込むきっかけとなったのは1988年のミラノ・スカラ座の日本公演の制作助手を務めたことがきっかけでしたが、その時に担当した演目がこの2作品だったわけです。(余談ですが、『ラ・ボエーム』はC.クライバー指揮、『トゥーランドット』はL.マゼール指揮で、共にF.ゼッフェレルリ演出の伝説的な公演です。)いわば、この2作品は神田をオペラへの道に導いてくれたありがたい存在であり、ある種の憧れのシンボルでもありました。この2つの公演は「恩返し」の意味もあるという訳です。

 ところがこの公演には余りに大変な問題が多く、自らの力のなさと、若気の至りを悔いた日々が続きました。出くわした1つ目の障壁とは、あまりの難曲につき、歌手がなかなか見つからなかった事。(歌ってくれる方を探して電話をかけまくった恥ずかしい記憶があります。様々なキャストの都合がつかず、ピンポンパンを女性で行った程ですから)。もう1つの障壁はサカナ団初とも言えるあまりにも多くの合唱団の方々との練習に悪戦苦闘した事。経験を積んだ今なら何の問題もない事柄でも、まだ駆け出しのオペラ団に取っては、全てが初めて遭遇する現場であり、初めての苦難でもありました。問題を乗り越え、公演まで漕ぎ着けた事は評価されるかもしれませんが、その結果生じた多くの方々への負担、迷惑については、今でも申し訳なく思っています。

 上演活動に障壁はつきものですが、これ程までにあらゆる事で大変な公演は、その前も後も覚えがありません。ポジティブに取れば、この経験がサカナ団をたくましく変えたのでしょうし、反省を込めて振りかえれば、この年までが言わばサカナ団の黎明期とでも言うべき時期だったのだと思います。

写真:長谷川清徳

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